ビットコインは通貨としての土台を欠いている(FTなど)

2021年6月9日水曜日

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足下のビットコインを巡る動向

現在、債券投資にはほとんどリターンが付かず、中央銀行による大規模な金融緩和のせいで、ビットコインは過去10年間で何倍にも跳ね上がった。

識者の中には、ビットコインなどの暗号資産が国際決済手段になるという見方もある。

そして、エルサルバドルでは、ビットコインを法定通貨にするという発表がなされた。


通貨の4要件

学問的には、国際通貨は、少なくとも4つの条件を満たすことが必要と言われている。

①長期的に安定した価値、

②国際的な商品取引、金融資産取引を満たす十分な量、

③低い取引コストと高い流動性、

④通貨発行を保証する信頼性のある発行体

古代ギリシャの時代から、国際通貨はこの4要件を常に満たしてきた。


ビットコインは国際通貨か?

しかし、ビットコインは、上記の4要件のどれも満たしていない。

①歴史上どの通貨よりも、ボラティリティが大きい、

②最大流通量が決まっている、

③取引に時間がかかり、システムが一定期間に限られた数量しか対応できない、また、ブロックチェーンシステムは大量のエネルギーを消費する、

④ビットコインの価値を保証する発行体はない。


ビットコインの本質

ビットコインは匿名性があるので人気を博している。

それは、犯罪者やマネロンを企てる者に人気の理由でもある。

別な者は、投機の機会と捉えている。

しかし、ビットコインは交換手段としての価値の保存を媒介するものにはならず、発行体もいないので、価値の上昇はネズミ講を連想させる。

ビットコインが真の価値を取り戻せば、多くの人にとって残酷なものになるだろう。


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