【気になる記事】FT社説「暗号資産がゴールデンタイムのテレビに登場し規制当局の目を惹く」

2021年5月16日日曜日

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 【記事の概要】

  • テスラのイーロン・マスクCEOが米バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出て、「ドージコイン」について何度も聞かれた。
  • 暗号資産がテレビのゴールデンタイムに登場するようになれば、よりよい規制の必要性を考えるのが当然だろう。
  • ゲンスラー新SEC委員長も、新たな規制の必要性の検討を始めた。
  • 最近では、インフレヘッジ手段として、機関投資家による暗号資産デスクの開設が相次いでいる。
  • 1930年代に作られた法律では適切な役目を果たせないだろう。
  • ゲンスラー委員長は、相場操縦、詐欺、マネロンに焦点を当てている。しかし、暗号資産トークンが証券の定義に当てはまるかどうかで、ビットコインは証券にならないとしている。
  • 中央銀行(FRB)は、独自のデジタル通貨を開発し、ビットコインなどを仮想通貨と言うよりは、暗号資産と呼ぶ(暗に通貨として扱いたくないとの思惑が見え隠れする)
  • コンプラ、証券、通貨の観点で規制当局が縦割りになっている。
  • また、国際協調も必要になる。
  • 暗号資産取引所は場所をうつろぎ、コインベースは本部を閉鎖、 独BaFin指摘されたバイナンスは、公式の本社はないと主張している。
  • 国によってスタンスは異なる。中国は厳しく、ジブラルタルのようなオフショアは歓迎、米英はその中間だ。
  • 暗号資産は、その採掘に巨大なエネルギーが必要だが、環境にどう影響するか、より注意深い関心が必要だろう。
【考察】
  • 確かに一般的に、新しいものに対する規制というのは、一テンポ遅れるきらいがあると思います。
  • 政府のマインドとしては、その新しいものが、まずは既存の制度のどこに落ちるのか、見定めようとするのが、第一段階。
  • それを経て、どこにも落ちなければ、ようやく新しい制度を作るというのが一般的なような気がします。
  • そして記事にもあるように、第一段階で、必ず役所同士の割り振り争いが生じます。普通、新しいものを規制するとなると、面倒ごとのほうが多いので、お前のとこだろう、と押し付け合うのが基本のような気がします。
  • もしくは、自分の庭先だけ綺麗にするパターンで、ある事象に対して、◯◯の観点はうちだが、✕✕の観点からは知らない、関わりがない、といった感じです。
  • 暗号資産について言えば、米SECが証券性だけ見て、通貨としての側面はFRBといった具合。
  • これでは、総合的に暗号資産をcaptureすることにはなりませんが、縄張り意識や、担当外のことをするには、予算や人員などの問題に発展してなかなかうまく行きません。
  • 勢い、新しい会議体(暗号資産管理委員会?)を作って、関係ありそうなところから人をかき集めて対応しますが、寄せ集めで、親元の方も気にしないといけないので、なかなかうまく行かない、みたいなパターンが多いのではないでしょうか?
  • まぁ、これは規制の世界に限った話ではないと思いますが・・・。
  • ただ、ゴールデンタイムの番組で話題にされるだけでなく、億り人など、世間の認知も高くなってきていますので、そろそろ日本でも本格的に規制の枠組みが議論され始めるかもしれません。


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